「変われるってムテキ」を世界中に。
それが、私たちスピンズのVISIONです。
世の中に服屋さんは星の数ほどあれど
私たちスピンズは「変われるってムテキ」を伝えたい服屋さん。
自らが変わっていくことで、自分の人生をクリエイトし
ワクワクを世界に伝えていく。
このインタビューは、そんな私たちの「変われるってムテキ」物語です。
今回のインタビューはSPINNSプレスマーケティング部所属でメンズの販売促進の企画制作、ビジュアル制作を担当されている安本健太郎さんに「変われるってムテキ」のお話をお伺いしました。
めちゃくちゃ嫌いだった部活
ー まず安本さんがスピンズと出会うまでのお話をお聞かせください。
安本:高校生の頃からダンスを始めて、それがきっかけでファッションに興味を持つようになりました。僕は島根県出身なのですが地元にあまりファッションブランドの店というのがなかったので広島に月一くらい通っていました。そこでたまたまスピンズに立ち寄ったのですが、最初に感じたのは新品も古着も雑貨もなんでもあってカルチャー渦巻いてるなって感じました。
安本:中学の頃、陸上をやってたのですが部活がめちゃくちゃ嫌いでした。しかし勉強せず高校に行けるという浅はかな理由で陸上を頑張ったお陰で推薦で高校に入学することになります。
陸上を始めたきっかけは小学生の頃、陸上大会でいい成績が出たことがあって「自分に向いているんじゃないか」と感じていたところ中学で陸上の顧問の先生に薦められて陸上部に入ることになります。
でも当時、部活がめちゃくちゃ嫌いでした。嫌々やりながらもそれなりに県の中でも入賞したりとかもしたのですが、そんな結果と自分のやりたい気持ちとが噛み合わないまま陸上推薦で高校に入学することになります。
高校に入学しても陸上部に楽しさを見出せませんでした。自分の感情の奥底から好きだなと思えなかったんです。部活は先生や親から敷かれたレールのように感じていました。
とにかく練習というのが嫌いで、部活の時間を義務的にやり切らなければならないという、完全に主体性のない状態。感情もなくただやり切るだけという感覚でした。
自分の好きな気持ちを押し切った日
ー 主体性もなくただ練習をやり切る生活を送る安本さんにある日転機が訪れます。
安本:陸上の推薦で高校に入ったある日、最寄りの駅前の路上で踊っている人たちを通学時に目撃して単純にカッコいいなと惹かれている自分がいました。
丁度、テレビでもダンスが盛り上がってきている時期で僕自身もダンスに興味が出ていたタイミングと重なったのですが、高校に入って二、三ヶ月で部活の顧問の先生に「ダンスやるんでやめます」なんて流石に言えませんでした。とても厳しい部活でしたし自分の中ですごく葛藤しました。
すごく悩みましたが、生まれて初めて自分の心から動かされたスポーツだったので決心しました。顧問の先生にめちゃくちゃ頭を下げて「推薦で入ったのに申し訳ないけどダンスさせてください」とお願いしました。当然先生方は「何言ってんの」という反応だったのですが、ここは自分の好きな気持ちを押し切りました。本当にいっぱい迷惑をかけたと思います。
そして駅前の路上でダンスしている人たちのところに行って「僕も仲間に混ぜて教えてほしいです」と直談判しに行きました。その人たちも地元にダンサーが増えることを望んでいたので快く仲間に入れてくれました。
それから毎日夜九時くらいまでダンスの練習をする日々でした。不思議なのはあんなに嫌いだった練習も全然苦にならないし、もっと上手くなりたいという思いしかなかったことです。
ダンスとアパレルの両方を選び東京へ
ー 陸上では練習が嫌いだった安本さん。ダンスの練習とは何が違ったのでしょう。
安本:一番大きかったのは「自分で選択したかどうか」かなと思いました。本当に好きなことを自分で選んでやったからだと思います。陸上も一緒にやってる仲間のことは好きだったんですけれどとにかく練習が嫌でした。部活をしているときはただ怖いとか、先生のいないエリアで練習しようとか逃げの姿勢ばかりでした。今となって振り返るとただただ耐え続ける日々を中学三年間やり切ったというのは意味があったなと感じますけど、当時はとにかく辛かったです。
安本:ダンスを始めると同時にファッションに興味が出てきて、モテたいとかカッコよく見せたいという気持ちが強くなっていきます。月に一度、広島に通う中で地元にないファッションに触れるようになりますますアパレルに興味を持つようになりました。
高校三年になると工業高校だったので周りの友達は就職活動を始めるんですが、僕はどうせ働くなら好きなことを仕事にしたいと思いました。
当然、ダンスではまだ食べていくことはできないので東京に出てダンススクールに通いながら、興味のあったアパレルでショップ店員として仕事をしようと決意します。
最初は色々なアパレルに応募したのですが、どこのお店も「経験者が欲しい」と言われて入れませんでした。
そこでスピンズに応募することになります。履歴書を郵送するよりも持ち込んだ方がやる気があると思ってもらえると思い、お店に直接履歴書を持っていきました。
しかし何日経っても連絡が来ませんでした。もしかしたら履歴書が店長に届いてないのかもと心配になりお店に確認の電話したら当時の店長に「ごめん無くしちゃった」と言われたんです。そう言われても折角なので面接だけでもお願いしますと押し通して、結果的に入社することになります。これは今では笑い話で当時の店長とよく話をします。
ダンスの大きな壁と決断
安本:それからスピンズで働きながら川崎のダンススタジオに通う生活がスタートします。
数年は二足の草鞋で生活をしていたのですが、大きなダンスの壁を感じるようになります。
初めて感じたのはダンスのレベルの差の大きさでした。こんなにも上手い人がいるのかという事実ですね、ここでまず心をへし折られます。
そしてアルバイトしながらダンススクールに通う両立の難しさです。そもそもの環境が違うのは当たり前ですが、関東が地元の人と上京組の違いもあり、少ない給料でやっと稼いだお金をダンスのレッスン費を払いながら家賃を払ったり生活を続けていくということは何かを削らなければいけなかったんですけれど、何も削りたくないという葛藤がとてもありました。最終的には、いつまでこういう生活を続けるのだろうかというのを思ってしまって。下積みというのはそういうことだと思うんですが、このままでいいのかなと悩んでいました。
散々悩んだ挙句、一回アパレルに振り切ってみようかなと思うに至りました。ダンスを続けていても将来性が見出せなかったというか真っ向勝負しても僕は勝てる見込みがありませんでした。だから好きになっていたアパレルに振り切ろうと。何かしら自分の強みが欲しかったので洋服というのを武器にするんだと二十二歳くらいの時に決めて、ダンスから徐々に離れていきました。
ー ダンサーになる夢を胸に上京した安本さん。しかしダンスから離れる結果になった時の心境とはどうだったのでしょう。
安本:何のために上京したんだっけという葛藤は凄かったです。毎日のようにそのことばかり考えていてこんな中途半端な感じでは地元に帰れないというプライドもありました。でもずっと悩んでいた間も支えてくれていたのがアパレルでありスピンズだったので、そちらに振り切っても後悔することはないなと思いました。今まで積み上げてきたものを一度否定する怖さもありましたけど同時に服もめちゃめちゃ好きになっていましたし、一緒に働く仲間も好きになっていたので決断する支えになりました。
外見より中身という考え方の変化
ー 紆余曲折しながらもスピンズに入社してからはどんな日々だったのでしょう。
安本:実はスピンズを一度辞めたことがあります。当時、憧れていたお店があってそこで働きたいと思い転職しました。でもいざ働き始めると想像していた世界と違っていて結構悩みました。そんなある日、休憩時間にスピンズの先輩方とはたまにコンビニとかでバッタリ会うことが多かったのですが、みんな「最近元気?」という風にフランクに暖かく接してくれたんですね、辞めた人間に僕に対しても。そんな先輩の姿に触れて、今まで外見や見た目の格好良さに憧れて生きてきた自分だったのですが、外見より中身の人間力や仕事を楽しむ姿勢とかを目の当たりにして、考え方が変わりました。そういう大人になりたいと思いましたし、そんな仲間とスピンズを支えていきたいと考えを新たにして再びスピンズで働くことになります。
安本:プレスという部署に異動になって同じ部署の人たちがゼロからいろんな仕事を生み出していっているのを見ていました。それに比べて僕は全然うまく仕事にできていなくて数年が経っていました。そんなある日先輩が退社するのを契機に責任が増したというか、自分の声をもっと仲間に伝えていってあらゆる媒体を通じて、お客さんにメッセージしていくという毎日です。
自分を信じて行動することで見つかること
ー 安本さんにとって「ムテキ」とはなんでしょう。
安本:難しいですね。正解はわかりませんが「自分が心から楽しめている状態」かなと思います。
僕は奇跡的にダンスと出会った気がしているのですが、自分が興味があるかもって思っていることに対しては自分を信じて行動したほうがいいと思います。好きだけど何かしらの理由をつけて諦める人も多いと思うんですけど、自分の気持ちに素直になることで僕は陸上からダンスを見つけましたし、ダンスからスピンズと出会うことができたので。
プロフィール 安本 健太郎【けんたろー/健ちゃん】 島根県出雲市出身 SPINNSプレスマーケティング所属 18歳の高校卒業と同時に上京しSPINNS原宿店に入社。 店頭スタッフを経てプレスとしてお客様にSPINNSのブランドコンセプト"変われるって無敵"を伝えれるよう日々模索中。 ★一言 SPINNSの商品がより魅力的になるようにプレスとして頑張っています! また、プレスというお仕事に少しでも興味を持ってもらえる人が増えることも目標です!
インタビュアー 大槻彦吾(g5designs & Co.)